得度(とくど)って何!?
得度(とくど)とは簡単に言えば僧侶のライセンスを取得する事である。
そのためにはそれなりの準備が必要になるのだが、まずは京都桂川にある西山別院と言う所に得度習礼(とくどしゅらい)=得度のための実技・講義を受けるためにある一定期間篭る。もちろん外出禁止、面会謝絶で世間との関係は一切断たれる。ケータイもノートPCも持っていったら駄目だよ。もちろん時事には疎くなる。
自由奔放に生きていたジャクシンは得度習礼にあ入る前かなりブルーであった。
それまで寮生活とかも経験無かったし、大人数よりも少人数で遊ぶのが好きだったし、修学旅行で海パンで大浴場に入るようなタイプだったし(履かなかったけど)とにかく団体生活が嫌だった。しかも普通の人ではなく一筋縄ではいかない坊主の卵たちと一緒である。
しかし入って3日後も経つと意外や意外メチャメチャ楽しいのである。団体生活最高!だったのである。地元の言葉に直すと「む~る楽しい」
何でしょ!?朝の5時半に起こされる快感って。
しかも起床のときにかけられる音楽が島倉千代子の『ありがとう』ですよ!
今でもあの歌を聴くと冷たい京都の水で顔を洗って歯を磨いてる当時の記憶が蘇ります。
何でしょ!?一日10時間ぐらいの正座の快感って。
ありえないでしょ!?10時間って!(許せない事に現在は本堂のお勤め以外は椅子式になってるとか)
でも終わった後の皆でする足の痺れ談義が楽しかった~!知らないもの同士「大丈夫?」なんて声を掛け合ったり。
しっかもあのあれは何ですか?習礼所の指導員。
たしか鉄バットは持ってなかったと思うけど(竹刀くらい持ってたかな?)異様なくらいの威圧感&強面。これから責任ある僧侶を社会に出す役目があるから厳しいのは仕方ないとしても恐過ぎだよ。
不運なことに私は入所初日5分遅刻をしてしまった。
「っお前かぁ~!〇〇教区のジャクシン(呼び捨て)!
てめ~帰れ!!」
怖かった。が、気迫だけは負けてはいけないと思い
「帰るのだけはやめさせてくれ!」
負けじと同じぐらい大声で懇願した。
負けた無かったと思う(いや負けてたかな・・・)
(続く)